口腔ケアの必要性と重要性についてまとめました。
口腔内細菌と内科疾患との関連性、咀嚼機能と老化・痴呆の関連性など、口腔環境がお年寄りの全身の健康と密接に関連しております。
口の中の細菌が関与すると考えられる代表的な全身疾患としては、
1.誤嚥性肺炎
2.感染性心内膜炎、敗血症
3.虚血性心疾患
4.糖尿病
などがあげられます。
口の中を清潔にするだけでなく、歯や口の疾患を予防し、口腔の機能を維持することで老化・痴呆の防止、全身的な健康維持などQOLの向上に役立ちます。
噛むということは、口に入れた食物を切断、破砕し、唾液と混ぜ合わせる消化作用の第一段階です。食物として異物であると感じた場合には反射的にそれを吐き出す防御反応のスイッチにもなります。
噛む力が低下すると、顎の大きさが小さくなったり、歯並びが悪くなるため、清掃が難しくなり、ますますむし歯の誘因となります。
噛むという行為は筋肉や舌などを反射的に反応させ、脳や身体に刺激を与え、脳の発育を促進させたり、脳の老化を防ぐ一因になります。
歯がなくなると咀嚼能力の低下や発音障害を生じるばかりでなく、食生活への欲望など人としての意欲がなくなり、その為、脳に対する刺激が減り、痴呆につながる事になります。噛むという行為は老化防止につながります。
噛むことは、全身的運動の一部であり、運動能力を高めたり、かみ合わせのバランスが身体の平衡感覚に影響を及ぼします。
むし歯や歯周病などの歯科疾患やカンジダ性口内炎などの口腔感染症を予防します。
咀嚼機能の改善および摂食・嚥下障害の改善、口腔機能の低下や廃用症候群の予防。
誤嚥性肺炎などの原因となる口の中の細菌の数を減少させ、全身感染症の予防をはかります。
経口摂食を促し、低栄養や脱水を防ぐことで、体力回復や意欲向上、全身状態の改善。
構音機能の維持・回復によりコミュニケーション機能を回復。